グラインダーは重鎮

1万円ほどの家庭用コニカルカッターは、最もお買い得かもしれません。もちろん、どれがコストパフォーマンスの高い製品なのか事前に調べまくるのは必須です。お金をかけたくなければ、激安ブレードグラインダーでも粉のコーヒーを買うより格段に美味なコーヒーに近づけます。ただし粒度のバラつきを防ぐために、回転させている間はグラインダーを激しく振り続ける必要があります。その姿は、店をクビになるバーテンダーのようです。おまけに、タイマーを使って秒数を計らないと目的の粒度を正確に再現できません。一方、手回しで挽くミルは最もコストパフォーマンスが高いです。とはいえ、エスプレッソに求められる極細挽きを満たすモデルは限られていますし、挽くのにかかる時間と労力で気絶しかねません。もはや修行か苦行といって差し支えないでしょう。手回しで挽く意味なり意義を感じないのであれば、動力はパワフルな電気モータが望ましいです。

基本的にどのグラインダーを使ったとしても、微粉の発生は避けられません。ブレードグラインダーはかなり微粉が出ます。量販のコニカルカッターも意外に微粉が混ざっています。たとえ家庭用ハイエンドモデルであっても、微粉はつきものなのです。手間さえ厭わなければ、目の細かい茶濾しを使って丹念に微粉を取り除けます。美味しいコーヒーへの追求も極まれば、茶濾し微粉取りも面倒ではなく当たり前の作業になるでしょう。熱中の度合いに合わせ、周囲に映る自分の姿を想像しておくことも必要ではないかと思います。どれほど異様な光景なのか、回りにしか分かりませんから。

豆の良し悪しがカップを支配するように、グラインダーの性能は想像以上に重要です。可能であれば業務用ローエンドモデル、もしくは家庭用ハイエンドモデルが色んな意味で天国への近道でしょう。がんばって個人輸入すれば、日本で買う3分の1の値段で買えます。