久しぶりに涼しい朝だというのに、汗をかいて夢から目が冷めました。吐き出すほど激不味いエスプレッソを淹れている悪夢です。あまりにも上手く抽出できないのでカッとなり、テーブルにエルボーをくらわせる寸前でした。何やらテンパッてて良くない精神状態です。
これだけ抽出が不安定なのって、裏を返せばそれだけ味の幅を出せるということじゃないか??と思って早朝からマシンにスイッチON。まずはハイローストのイルガチェフェを試してみました。抽出から5秒目に滴下し、28秒で止めたところ、ほどよい酸味と苦味にまとまって意外な旨さでした。ダブルバスケットで量は20cc弱です。うわー、ちゃんとイルガだと笑ってしまったものの、やはりエスプレッソだと別の飲み物になります。弾けるような柑橘系の香りは、濃縮されてまさにアロマチックという表現がぴったり。酸味と苦味は甘みにくるめ込まれてまろやかです。きれいなオネーちゃんが妖艶な熟女に変貌したイメージです。正常な抽出であれば酸っぱくて飲めないはずですが、粒度をぎりぎりまで細かくして長めに抽出したから抑えられたのでしょう。
もうひとつ、澄んだ酸味がたまらないコロンビアのラバティカティピカで淹れてみました。ローストはシティで、同じ粒度にしたのに28秒で40cc出てしまいました。これはダメだろうなと思いつつ口に含むと、何とも上品な酸味が前面に出ていて予想外の旨さです。もう1杯同じ抽出をし、80ccのフォームミルクを加えてカプチーノにしたところ、これまた旨しなのです。酸味が中和される分、ミルクに負けない気品あふれるアロマが強調されました。3杯淹れて外さなかった経験なんて過去にありません。起きたばかりで舌がおかしいのか、はたまた目出度い夢だったのか。早起きで得しました。