兵庫の生豆本舗で焙煎豆少しと生豆を同時に買って、見た目と味を参考に手網焙煎しています。ブラジルやマンデリン、ケニア、タンザニアはまずまず上手く焼けるようになってきました。ところが、中米の高地産やイルガチェフェはことごとく失敗します。6,7回に1回は上手く焼けるものの、ほとんどは焦げるか無残な渋味えぐ味たっぷりの焼きあがりで、いい加減うんざりしていました。安定して再現できるまともな焙煎機を買うか、シングルオリジンの特徴が何となくわかるまではしばし中断するか?
初めて杉山台工房にブレンドコーヒーを注文する際、話の流れで手網焙煎していると伝えたら「僕も学生時代にはじめて10数年続けていました」とお返事が。「アナログ時計の秒針の動き視るごとく 豆の変化を確実に捉えることができますから 豆の個性を解釈するのにもってこいの愉しみだと思っています」とも書かれていました。届いたブレンドを飲みながら読んだこの一言で、手網焙煎をやめずに続けよう、と決めました。上手く焼くためではなく、もっとコーヒーを知りたくて始めたのがきっかけだったからです。
それにしても手網10数年とは! 素晴らしい味わいのブレンドコーヒーを飲みながら、それを焙煎した人からの一言。それはもう、説得力絶大です。