良くないコーヒーも悪くない

blend大手ロースターのコーヒーに、好きなタイプのブレンドがありました。アラビカ豆4種を配合し、200gで400円台前半という信じられない安さです。ただこのブレンド、良くない成分が抽出の早い段階で出てくるのと、これに伴って冷めはじめや後味で欠点が目立ちました。そこでふだんと逆方向に、粒度を荒めにして粉を増やし、湯温を下げて早めに終えるといったセオリーを当てはめていくことで、長所を前に出せるようになりました。
欠点のあるコーヒーは、器具や抽出方法を変えると大げさなぐらい明快に反映されます。また、微粉を取り除くか除かないかでも、がらりと変わります。非常に分かりやすいという点では案外初心者向きで、抽出の基礎を理解していくのにうってつけなのかもしれません。繰り返し試してイメージする味に近付けば、ささやかでも自信につながり、次の美味しい一杯につながります。

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荒挽き低温抽出は古い時代に生み出されたセオリーで、昨今の高品質なスペシャルティコーヒーには通用しないと考える人もいるようです。高地産の豆は一般的に繊維密度が高く、細挽きの高温でないと十分に抽出できないからでしょうか。
けれど、スペシャルティだから細挽き高温抽出、という考え方もステレオタイプじゃないかと感じはじめています。だって、あるお店のマスターが淹れた絶品コーヒーと、同じ豆で自分が淹れたコーヒーとは、あまりにも味わいに差があるからです。決定的な違いは抽出しか考えられません。その豆に備わった香味を存分に花開かせるのは、単純なセオリーでくくれる話じゃないはずです。マスターやバリスタの人柄、店の雰囲気にほだされる歳でもないし、話術でカップの印象を衝撃に変貌させるなんて考えにくいですし。
抽出は奥深く難しいですが、柔軟に、気長に楽しんでいこうと思います。良くないコーヒーも悪くないぜぇ?とつぶやきつつ。