●エアロプレス →細挽き9g、140cc(95℃)、丸型濾紙使用
0 start 湯を注ぐ
30-40sec. 10秒間の攪拌
90-100sec. 10秒間の攪拌
150-160sec. 10秒間の攪拌
210-240sec. プランジャー押下
プランジャー(ポンプ+ゴムパッキン)とチャンバーの密着が良く、構造が単純なため器具に脂質がほとんど残らない。シンプルな分、洗浄や手入れが簡便で、変質した脂質の臭いが残りにくく非常に優れている。付属の丸型濾紙を使用していても、抽出液にはコーヒーオイルが溶け出て、極微粉も混入している。
なお、金属フィルターは試していない。VSTのような優れた専用フィルターが現われたら、ぜひ検証してみたい。形状や素材、目盛り、圧力計など、今後の改良が楽しみな抽出器具。
●カッピング濾過 →細挽き12g、180cc(95℃)
0 start グラスに湯を注ぐ
0-30sec. 接触から30秒まで撹拌
60-90sec. 30秒間の攪拌
140-180sec. V60と最小濾紙を使った上澄みの濾過
この方法はカップテストを目的としていない。念のため。V60の濾過速度はかなり速いが、微粉を含むと当然遅くなる。微粉の除去は必須であり、除去しなければV60でも40秒以内に濾過を終えることができない。この方法は抽出液が澄んでいて舌触りが良く、穏やかで品の良い印象。
●フレンチプレス →細挽き9g、140cc(95℃)
0 start 湯を注ぐ
30-40sec. 10秒間の攪拌
90-100sec. 10秒間の攪拌
150-160sec. 10秒間の攪拌
220-240sec. プランジャー押下
※200-240sec. 丸型濾紙使用でのプランジャー押下
飲み比べると違いが明らかなように、プランジャーに丸型濾紙を使わない方が甘み、まろやかさ、コクは豊かになる。濾紙を使った場合これらの要素は減少するものの、下触りが良く、香味の印象は鮮やかで明解。
□補足
- コーヒー豆の粉砕にはMazzer Mini E/Bを使用。デロンギKG-364Jを使用する際は茶こし網で微粉を取り除いている。
- デジタルタイマーは小数点以下切り捨て。
- 温度計は安価なガラス赤液温度計を使用。
- 湯温は粉への接触直前の温度で、使用器具は冷暖房を含む常温環境。
- 攪拌には直径3mm長さ13mmのステンレス棒を使用。ヘラは素材に関係なく脂質を残しやすいため、あえて面積の少ないスティックを使用している。攪拌スピードはおよそ1秒3回転。方向は時計回転で、成分抽出を促す。
- 入り組んだ部品で構成されるフレンチプレスのプランジャーは、特に厳格に洗浄しないと不快な香味をもたらす。これはネルやサイフォンと共通する、繊維に残った微粉や脂質の変質が原因と思われる。洗剤や熱湯のみの洗浄では除去できず、念入りな手入れと管理が必要。プレスのプランジャーは、未使用時は重曹溶液(2~3%)に漬け置き、使用直前に熱湯洗浄。
- 抽出に使うすべての器具は、例外なく清潔さが求められる。定期的に器具を熱湯リンスし、その湯の味と臭いを確かめる必要を強く感じる。
2011/10/6